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第2回 "多様化・多元化・流動化"の検証" 5月号入学者選抜法と学生確保の現状の趣旨と期待波乱に満ちた平成20年代初の大学入試も、「全入時代」 を前にさまざまな問題点を残しつつ、ようやくその幕を閉じました。ここでは筆者が注目する3つの事例について、最近の入試データを中心に分析・検証をしてみます。
先ず第1点は、「入学者選抜法の変貌」 です。選抜法はここ数年、学力試験中心の一般選抜からAO入試や推薦入試の特別選抜に至るまで、顕著な多様化・多元化・流動化が進んでいます。一般選抜を平成19年度の種類別入学者の割合から見ますと、国立大84.9%(前年比-1.8%)、公立大76.1%(-3.7%)、私立大49.6%(-5.2%)となり、私立大では初めて5割を切りました。 その結果、一般選抜は合計でも過去最低の56.7%(-4.6%)となり、学力選抜は年々減少傾向にあります。懸念されるのは、入学者の学力格差と学力低下です。 第2点は、「加速的な少子化による入学志願者数の動向」 です。19年度には、例えば私立大の新設学部で志願者10名、入学者6名といったケースも見られました。すでに私立では大学・短大の募集停止や破綻が出始めた中、19年度の定員割れは大学で4割、短大で6割となり、特に地方の小規模校は存続の危機に追い込まれています。今後、入学志願者数の大学間格差と二極化には、さらなる拍車がかかるものと推測されます。 |
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ブランド校も激甚な勝ち残り戦略第3点は、「私立ブランド校の激甚な学生確保戦略」 です。大学設置基準等の規制緩和で私立大新設がエスカレートする中、ここ数年、伝統的有名校の積極的な志願者確保へのスタンスは一変しつつあります。平成20年度もまた、多くの都市型ブランド校でさらなる学部再編や新設を断行し、サプライズな募集方式・選抜法を創出しています。まさに持続可能な勝ち残りを目指す自由競争戦略です。しかも、そのブランド力とスケール・メリットによるマグネット力を最大限に活かした展開には、周辺の小規模校から「弱肉強食の威圧感さえ覚える」、といった悲痛な声も側聞されます。![]() 上の表は、私立大一般公募の 「志願者数ベスト20校」(延数)を、18歳人口ピーク時の平成4年度ならびに直近の19年度を比較検証したものです。例えば4年度の私立大志願者総数は約445万人、大学数が507校に対して、19年度の志願者総数は約302万人、 大学数が580校と対照的な変動を見せています。このような状況下、私立大志願者総数に対するベスト20校の志願者占有率は、33%から41%にまで上昇しています。しかし、一部の例外校を除き、有名校でも大幅な志願者数の減少に見舞われています。この15年間で私立大は73校も増加しましたが、一方で私立大志願者総数は143万人も減少しています。 この表で特に注目したいのは、学部新増設や志願者数のアップ・ダウンの流動化が、上位校の間でかなりドラスティックに進んでいることです。人気と伝統を誇るブランド校にも今、「栄枯盛衰」への新たな幕開けが始っているようです。 最後に個人的提案を2点。先ず第1点は、多様化・多元化の名のもとに学力低下等を招く安易な“負”の選抜法に対し、「入学者選抜実施要項」自らのの自己点検・評価をすべき重大な局面を迎えているのでは…。第2点は、入学者選抜の多様化・多元化・流動化に名を借りたミッション・ポリシーなき志願者確保が、ゆめゆめ受験生を翻弄するような単なる“募集ごっこ"に終わらないことを切に望みます。 |
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